fermented soybeans

PDF download

Fermented soybeans (Normal speed)
Fermented soybeans (Paused)

納豆は、蒸した大豆をわらなどで作った筒に入れ、納豆菌を繁殖させて作る発酵食品です。ネバネバした糸を引く「糸引き納豆」と乾燥させた糸を引かない「塩辛納豆」の2種類に大別できます。納豆は主に日本列島の東側で食され、朝食の人気メニューの1つですが、関西ではあまり好まれない傾向があります。納豆は昔から日本人の食生活に浸透していましたが、近年では、健康食品としても高い注目を集めています。

Natto and rice

納豆ご飯

納豆はいつ頃から食べられるようになったのかは不明ですが、縄文時代の終わり頃には中国大陸から稲の作り方が伝わり、米や大豆の栽培が普及した弥生時代頃には、すでに納豆のような食べ物はあったという説があります。納豆という文字が最初に文献に出てきたのは平安時代のことです。庶民の生活を描いた藤原明衝作の『新猿楽記』の中に登場したのは、塩辛納豆というもので、煮た大豆を麹菌で発酵させ、塩や香料などを加えて乾燥させた、糸を引かない納豆のことです。納豆が一般庶民の間で広く食べられるようになったのは、江戸時代になってからのことです。

Natto and straw

わらの筒で発酵させた納豆

納豆は元々、今のように一年中手に入るものではなく、主に冬の食べ物だったそうです。江戸時代中期以降になると、江戸などの大都市では一年中食べられるようになりました。当時は、主に納豆売りが元気のいい掛け声と共に、売り歩いていましたが、当時の川柳にもしばしば登場するほど、納豆売りは江戸の朝には欠かせないものでした。栄養たっぷりの納豆は、1日の活力源補給という意味で、ご飯と味噌汁と共に朝の定番メニューとして昔から日本人に親しまれてきました。7月10日が「納豆の日」と制定されていることからも納豆の人気ぶりを垣間見ることができます。

Hikiwari natto

引き割り納豆

納豆は地域や製造方法によって様々な特徴を持ち、国内だけでも複数の納豆が存在します。糸引き納豆は「丸大豆納豆」、「挽き割り納豆」と「五斗納豆」の3種類に分けられます。丸大豆納豆は、大豆を丸ごと煮て納豆菌で発酵させた、日本人が普段よく食べている納豆です。普通の煮豆と違い、納豆がネバネバと独特の匂いを持つ秘密は納豆菌にあります。納豆菌をかけた煮豆は、人肌くらいに温めると、納豆菌がどんどん増え、ネバネバや香りの元となる成分を作り出し、納豆に変わるのです。その時に、アミノ酸など旨味の元になる成分や、ビタミンK2、ナットウキナーゼといった煮豆にない栄養素も作り出します。

Natto toast

納豆トースト

ネバネバの正体は、アミノ酸の一種のグルタミン酸が1列に5万個近くもつながってできた長い糸とフラクタンという糖質がたくさん絡み合ってできたものです。納豆には健康な体を維持するために必要なタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの五大栄養素が全て含まれています。その様々な栄養素はコレステロールや中性脂肪などを減らすのみならず、骨粗鬆症を防止する働きや、肌の調子を整える効果も期待できます。また、腸内環境を活性化させる食物繊維と納豆菌を一緒に摂れるため、免疫力を高める効果もあります。

Natto sushi

納豆巻き寿司

納豆は日本独特の食品だと思われがちですが、類似の食べ物は世界の様々な地域に存在するようです。納豆を使用したレシピも豊富にあります。納豆そばや納豆巻き寿司など和風のものだけではなく、納豆ピザ、納豆パスタなど色々な系統の料理との組み合わせが可能で、バリエーションが無限にあると言えます。海外でも比較的簡単に入手できるようになった納豆は、より多くの家庭の食卓に取り入れられるようになる日もそう遠くはないのかもしれません。

Mizkan「納豆の豆知識

★ 納豆関連製品のご入手はこちらから↓

fermented soybeans
最新情報をチェックしよう | Check out what’s new

食べ物|Foodの最新記事8件