bean throwing festival

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節分とは立春の前日のことで、鬼を追い払って新年を迎えるための行事です。本来、節分は季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを言い、年に4回あります。ところが、二十四節気において立春は新年の始まりで、節分は大晦日に相当する大事な日なので、節分と言えばこの日を指すようになったのです。節分は西暦の2月3日前後にあります。

soy beans and red demon

赤鬼のお面と煎り豆

昔は、季節の分かれ目、特に年の分かれ目には邪気が入りやすいと考えられており、様々な邪気祓いの行事が行われてきました。節分の日に実施される豆まきも実は、旧暦の新年を迎えるための邪気祓い行事です。豆まきは、古代中国の「追儺(ついな)」という桃の木で作られた矢を射って鬼を追い払う行事に由来するそうです。その行事は奈良時代に日本に伝わり、行事の一環である豆まきは江戸時代に庶民の間に広がりました。災害や、病、飢饉など、昔の人の想像力を超えた恐ろしい出来事は鬼の仕業だと考えられてきました。その鬼を追い払うのに使うのは、穀物の霊力が宿っているとされる大豆です。

roasted beans

鬼のパッケージに入った福豆

豆まきに使うのは「福豆」と言う煎ってある大豆で、豆を煎る理由は「魔の目を射る」ことに通じるからです。煎った豆は、神棚にお供えすることによって更に鬼退治の効果が高まるとされています。豆をまく時は、家中の戸を開けて「鬼は外、福は内」と大声で唱えながらまきます。また、一年の無病息災を願って、年の数だけの福豆を食べる風習もあります。大豆は味噌や醤油の原材料にもなっており、その30%はタンパク質で、ビタミンやイソフラボンも豊富に含まれていることから、健康効果も抜群です。

sardine heads and holly

柊鰯

節分に柊の枝に鰯の頭を刺した「柊鰯」を飾る風習が平安時代からあります。柊はトゲトゲした葉が鬼の目を刺すので、悪霊を寄せ付けないとされており、鰯は焼いた時の臭いで鬼を遠ざけると言われてきました。また、節分に恵方巻を食べる習慣もあります。主に関西地方で親しまれてきた風習ですが、現在は全国的な広がりを見せています。恵方巻は、七福神にちなんで七種類の具を使う太巻きのことですが、その年の恵方、つまりラッキー方向を向いて丸かじりすれば願い事が叶い、商売繁盛や無病息災をもたらすとされる縁起物です。巻き込んだ福を逃さないように丸ごと一本、無言で食べ切ると良いとされています。

sushi rolls

恵方巻

長野県や島根県などでは今でも節分にそばを食べる習慣が残っている地域があり、それは年越しそばの始まりともなっているようです。現代では、国立天文台の観測により「太陽黄経が315度になった瞬間が属する日」を立春としている故、立春の前日である節分も日付が変動します。2021年の節分は2月2日で、恵方は「南南東やや南」です。2020年までの37年間は2月3日でしたが、1984年の節分は2月4日でした。2025年の節分も今年同様、2月2日になるようですが、今後100年ぐらいは2月2日か3日のどちらかになるそうです。

family enjoying bean throwing

豆まきを楽しむ親子

節分が近づくと、スーパーなどで煎り豆や恵方巻が並ぶようになり、手作りしなくても簡単に入手できるようになっています。豆まきの行事は神社などで行われることもありますが、幼稚園や保育園などではスタッフの扮した鬼が登場し、園児たちが怖がりながらも豆でそれをやっつける場面が見られます。時代を前進させる革新も大切ですが、日本の伝統を重んじる姿勢も評価すべきではないのでしょうか。

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