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HyperX QuadCast
寒い季節に欠かせないのは暖房器具ですが、気候条件や国の事情により様々な種類があります。日本の場合、エアコンに石油ストーブ、ハロゲンヒーターに床暖房など幅広い選択肢があります。その中で、一般家庭でよく見かけるのは何と言っても「こたつ」ではないでしょうか。こたつは、天板の裏側の枠に電気ヒーターが取り付けられたテーブル型の暖房器具で、中に足を入れて暖を取ります。
こたつ布団を被せたこたつ
こたつの原型は14世紀の室町時代にできたと言われていますが、点火した木炭や練炭、火鉢などさまざまな熱源が用いられてきました。こたつは長い年月をかけて更に進化を遂げ続け、1950年代に電気による上部加熱式のこたつが発売されるようになり、家庭の必需品としての地位を確立しました。その後、熱源となるヒーターの種類が増えたものの、今でもこの形式のこたつが主流となっています。こたつは大きく、掘り炬燵と置き炬燵の二種類に分けることができます。掘り炬燵は、床を切り下げて腰が掛けられるように作られたこたつのことで、一方、置き炬燵は床が周囲と同じ高さの平面に設置されるこたつのことです。置き炬燵の利点は自由に動かすことができ、場所に縛られることがないところです。
掘り炬燵の枠組み
こたつは本来、床からの高さが40センチ前後で座布団や座椅子と合わせて使うのですが、今は高さが調節できるものや、ソファや椅子に腰掛けて使えるものも登場しています。冬場は暖気を逃さないように、こたつ布団を広げてかぶせ、その上にこたつ板を置いて、ちゃぶ台のように使うことが多いです。暖かい季節になると、こたつ布団を外せばテーブルになるので、暖房器具とインテリアとの両方の機能を持ち備えた便利なアイテムだと言えます。
こたつ布団を外した掘り炬燵
こたつには色々なメリットがあります。エアコンやファンヒーターに比べ、消費電力が小さく省エネ効果が抜群です。電気代は一時間に約5円しかかからないというデータがあります。また、電気こたつはスイッチ一つで簡単に操作できるため、子供やお年寄りでも楽に使えます。石油ストーブは燃料である灯油を補充する手間がかかるばかりでなく、臭いもします。こたつは臭うことが一切ないので、そうした臭いが苦手な人でも気持ちよく使うことができます。更に、こたつは足元の空間を暖めるだけなので、空気が乾燥する心配もありません。高脚のテーブルと椅子のダイニングこたつの場合、立ち座りがとても楽で、足腰への負担が少ないメリットがあります。
高脚のダイニングこたつ
最近のこたつは豊富な機能を備えています。電源スイッチと温度調整が一体になったコントローラーが付いているものから、一定時間が経つと自動的に電源が切れるように設定できるタイマー機能や、通常よりも消費電力を抑えた運転ができる省エネボタン、人の動きを感知して不在時に電源を切る人感センサーまで付いているものがあります。こたつを購入する時は、こたつのサイズや形、ヒーターの種類、こたつ布団の厚さなど色々な要素を考慮した上で、ニーズに合わせて使い勝手の良いものを選べば良いでしょう。
こたつの中から見た電気ヒーター
日本の近隣諸国にはこたつを使う文化がありませんが、イランには「コルシ」、アフガニスタンやタジキスタンには「サンダリ」と呼ばれる同様な暖房機器があるそうです。暖かいこたつの中でゴロゴロ寝転んでいると、人間はともかく、猫や犬などのペットですら、この世の極楽にいるような心地よさを感じるようです。
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