桜

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Cherry blossom (Normal speed)
Cherry blossom (Paused)
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HyperX QuadCast

日本には公式に定められた国花はないようです。日本の皇室を象徴する花は菊ですが、国民に最も愛されているのは桜の方が勝るのではないでしょうか。桜の開花時期になると、毎年ニュースで桜前線が予想されたり、桜の名所を案内する特集が組まれたりすることや、桜をモチーフにした歌や芸術作品が昔からたくさんあることはそれを物語っています。

皇室の象徴である菊は日本のパスポートにも使用されている
chrysanthemum

菊は日本のパスポートにも使用されている

桜の色は、一般的に白色から濃い桃色まであります。花弁の数も、ソメイヨシノのような五枚のものから、十枚以上の花弁を持つ八重桜まで色々あります。桜の開花時期は、品種や地域によって違いますが、一月から五月にかけて気候の暖かい沖縄から徐々に北海道まで北上していきます。標高の高いところでは七月に咲く桜もあり、年に二回、春と秋に花を咲かせる品種もあります。

花弁が十枚以上ある八重桜

花弁が十枚以上ある八重桜

四月の上旬頃に咲く代表的な品種のソメイヨシノの見頃は、満開前後の一週間程度しかなく、その美しさもさることながら、日本人は桜のすぐ散ってしまう儚さ、そして潔さに心を捕らわれるようです。風で数多くの花弁が舞い散る桜吹雪は風情に満ちていて、言いようのない物寂しい気分にさせてくれます。これも日本独特の美意識の表れの一つではないでしょうか。

風情あふれる桜吹雪

風情あふれる桜吹雪

一斉に咲きこぼれる桜は、春の到来を告げる風物詩になっています。その春の訪れを祝う日本古来の慣習の一つになっているのが桜の花を鑑賞する花見です。花見の歴史は奈良時代に遡りますが、その風習が広く庶民に広まっていったのは江戸時代だとされています。桜の木の下で花を眺めるのみならず、家族や友人、同僚と大人数で花見弁当やお酒を楽しむ宴会を開くこともあります。

三色の花見団子

三色の花見団子

花見の時に食べる花見団子は三色の組み合わせが一般的で、桜色は春を表し、白は雪が残っている早春という意味があり、そして、緑は芽吹く植物を表すそうです。「花より団子」という花見団子に由来する諺があるのですが、花を観賞する風流よりも実益を重んじることの例えです。夜きれいにライトアップされた桜を見ることは夜桜見物と言い、昼間とはまた違う表情を見せる桜が堪能できます。

きれいにライトアップされた夜桜
Cherry blossom in the night

きれいにライトアップされた夜桜

今では、桜は平和のシンボルとして海外に贈られることがあります。日本に近隣する韓国や中国だけではなく、アメリカやヨーロッパ、世界の色々な国で春毎に美しい桜を満喫できるようになりました。そんな桜に託された願いが叶うように、我々一人一人ができることから世界の真の平和が実現するために取り組みましょう。

和菓子の季節.com「三色だんごの特徴・歴史・味
桜
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