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紅葉、または紅葉とは、落葉樹が秋になると、葉の色が赤や黄色に変わる現象のことです。日本人は春の桜と同じように、紅葉を美しい景色として褒め称え、古くから詩歌にその美しさを詠み込んでいます。桜を見るのを花見と言うように、山野に紅葉を見に行くことを「紅葉狩り」と言います。赤や黄色の葉が散ってしまうと、日本列島は冬へと季節を変えるのです。
富士山と紅葉
桜前線と対比して、紅葉の見頃の推移を「紅葉前線」と呼びます。紅葉は、9月頃から北海道の大雪山を手始めに始まり、徐々に南下します。紅葉が始まってから完了するまでは約1ヶ月かかります。見頃は開始後20日から25日程度で、時期は北海道と東北地方が10月、関東から九州では11月から12月初め頃までです。美しく紅葉するには、いくつかの条件が揃う必要があります。まず、最低気温が5℃以下の寒い日が続くと、紅葉は急に進みます。そして、日光がよく当たる場所や、空中の湿度が適度にあることも大事です。川沿いや湖畔に紅葉の名所が多いのは、そういう理由からです。
きれいにライトアップされた紅葉
紅葉の季節になると、紅葉の名所として知られる場所は、紅葉狩りに来た行楽客であふれるようになります。青森県にある奥入瀬渓流や富山県の黒部峡谷、長野県の白駒の池、京都の社寺などは、絶景紅葉スポットとして知られています。「狩り」という言葉は「草花を眺めること」を意味し、紅葉を愛でる習慣は平安時代から始まったとされています。昔は実際に紅葉した木の枝を手折り、手のひらに載せて鑑賞するという鑑賞方法もありましたが、今では枝を折り取って持ち帰る行為は森林窃盗罪と見做されるため、落ちている葉っぱを採集するだけに留めましょう。
富山県黒部峡谷
紅葉は一般的に落葉樹のものが多く、名前に「もみじ」がつくムクロジ科カエデ属の数種が特に有名です。普段、葉が緑色に見えるのはクロロフィルが含まれるからで、夏の間、クロロフィルが光を吸収して活発に光合成が行われます。しかし、秋になり日照時間が短くなると、クロロフィルが分解されるという葉の老化反応が起こり、葉に蓄えられた栄養が幹へと回収され、翌年の春にその栄養が再利用される仕組みとなっています。栄養が十分に回収された葉では、葉柄の付け根に離層ができ、枝から切り離されるようになります。これによって、無駄な水分やエネルギーが冬の間に消費されるのを防ぐことができます。
長野県白駒の池
葉が黄色くなるのは、元々葉緑体の中に含まれるカロチノイドという色素が、秋にクロロフィルが分解するにつれ、目につくようになるからです。葉っぱが赤くなるのはアントシアニンという色素に由来します。光合成で作られたデンプンなどの養分が分解されて糖になり、日光が当たることで糖と酵素が反応してアントシアニンを作り出すと考えられています。真紅やサーモンピンク、オレンジなど色々な色の紅葉が見られるのは、木の種類によって作られるアントシアニンの量が違うからです。
広島名物・もみじ饅頭
広島県宮島の名産品であるもみじ饅頭に代表されるように、紅葉は日本人の生活の隅々にまで浸透していると言えます。紅葉をモチーフにした家紋や社寺の紋もあります。日本人は紅葉から季節の移ろいや秋の風情を感じます。一面が紅葉している光景や常緑樹となす緑と赤のコントラストを堪能するために、さまざまな紅葉スポットに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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